エンフルビル

エンフルビルは、インフルエンザを完治させるためのサポートをする抗ウイルス薬です。インフルエンザウイルスの増殖を抑えることで症状を緩和させ、すみやかに完治に向かえる状態に持っていくことができます。

インフルエンザに感染している人と接触するなど、感染リスクが高い行動をとった場合、エンフルビルが予防に役立つ可能性があります。感染した可能性がある時点から48時間以内に服用を開始することで、もし体内にウイルスが侵入しても増殖を防ぎ、発症を遅らせたり、症状を軽減させたりすることができます。

エンフルビルを服用することで、より早めにインフルエンザの症状を緩和させることができます。医薬品に頼らず安静に過ごす場合、症状が軽快するまでに7～10日ほど要しますが、エンフルビルを服用すると2日程度、軽快までの期間を短縮すること可能です。

基本的に、エンフルビルはインフルエンザ発症後48時間（2日間）以内に服用しなければ、十分な効果を発揮しません。48時間以上が経過し、インフルエンザウイルスが大量に増殖した状態では、思うような働きが見込めないためです。

インフルエンザを発症している場合は1日2回、各1錠（有効成分オセルタミビルリン酸塩75mg）ずつ服用してください。1回服用するごとに12時間以上の間隔を空けてください。ただし、インフルエンザにかかっている人と接触するなどして感染が疑われる場合の予防については、1日1回1錠となっています。

インフルエンザの症状が見られる場合、通常は5日間にわたって服用を続ける必要があります。予防をする場合は、7～10日間服用します。

エンフルビルは、基本的に食事の影響を受けない（食事の有無で効果は変わらない）ため、いつ服用しても構いません。ただし、食後に服用したほうが消化器系の副作用が出にくいとされています。

飲み忘れに気づいた段階で服用できますが、次の服用タイミングが近いときは飛ばして構いません。1回でまとめて2回分を服用することは避けてください。

用法用量を守って飲みきってください。症状がおさまったかのように見えても、体内にはまだインフルエンザウイルスが残っている可能性があり、やめた後で再び増殖して発症・悪化する可能性があります。

エンフルビルはタミフルと同一の有効成分を配合しているため、あらわれる可能性がある副作用もほぼ共通しています。ただし、精神神経系の副作用で1%以上の発現率があるのは「めまい」「頭痛」「不眠症」であり、気分が急激に変化する「激越」は頻度不明です。もちろん何らかの異常が見られた場合はすみやかに医師に相談する必要がありますが、服用する前からそれほど深刻に心配するには及びません。なお、その他の副作用についてはエンフルビルの副作用をご確認ください。

念のため、医師に相談することをおすすめしますが、基本的な服用して構わないと考えられます。有効成分オセルタミビルリン酸塩の添付文書には、「治療の有効性が危険性を上回るときだけ投与すること」とされていますが、妊娠中の女性が服用しても母体や胎児に大きな影響が出ることは考えにくいとされており、日本の産科婦人科学会および産婦人科医会ではオセルタミビルリン酸塩の積極的な服用を推奨しています。

確かに、エンフルビルを服用しなくてもインフルエンザは自然治癒させることができます。しかし、場合によっては治りが悪かったり重症化したりする危険があるため、エンフルビルなどの抗インフルエンザ薬を用いてしっかりと治療していくことがおすすめです。